PEDROのトレーラー映像に出ていた緑のパイって・・・どう思う?
どう思うって。もうあの世界観を90年代オルタナ好きのオジサンが観れば想起するのはひとつしかないでしょ。
うん。1994年の物議を醸した映画「ナチュラル・ボーン・キラーズ」しかないわな。
このPEDROのトレーラー映像が90年代のオルタナ・ロック的にも非常に重要な映画「ナチュラル・ボーン・キラーズ」 の世界観ビンビンだったので少し触れさせていただきます。
PEDROトレーラーは映画「ナチュラル・ボーン・キラーズ 」の世界
このトレーラーで表現されている、ベンチシートのアメリカンなカフェ風景、黄色に赤のふちで立体に仕上げた文字、そしてなんと言っても蛍光グリーンにも見えるキーライムパイ!この要素が揃えば、そんなもん、もう「ナチュラル・ボーン・キラーズ」しかないやないか(ミルクボーイ風)。
という感じ。
無名時代のタランティーノが書き上げた「ナチュラル・ボーン・キラーズ」
「ナチュラル・ボーン・キラーズ」は1994年のアメリカ映画で、監督はオリバー・ストーン。
そして原作は、まだ売れていなかった頃、バイト先のビデオショップで書き上げたと言われるクエンティン・タランティーノのもの。
タランティーノと言えば、「レザボア・ドッグス」で監督デビューし、2019年にはレオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビーを起用した映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」など、最高にクールでロックな作品を世に送っている監督です。
90年代のオルタナティブ・ロック界隈が大好きな奴らは90%以上の確率でタランティーノの映画が好き! なはず。
結局「ナチュラル・ボーン・キラーズ」の原作はなかば、発言力のまだ強くなかったタランティーノが映画業界のすったもんだに負けて、大手に奪われたと言ってもいいような状況で制作が進みました。
タランティーノによる脚本はもっと皮肉たっぷりな雰囲気の映画に仕上げるつもりだったようですが、監督となったオリバー・ストーンはより社会性、メッセージ性の強い映画へと原作を書き換えていました。
制作された「ナチュラル・ボーン・キラーズ」も正直最高にカッコいいですが、タランティーノが監督した作品もすごく観てみたい。
映画「ナチュラル・ボーン・キラーズ」とは
ストーリーは、ミッキーとマロリーと言うクレイジー夫婦がいろいろなところで殺戮を繰り返し逃亡劇をくり広げるバイオレンス映画。
虐待をするような親や糞みたいなマスコミにイカれたTVキャスター、そして、悪徳警察官など、取り巻く奴らもみんなクレイジー。
国によっては上映禁止などもあったようです。
目まぐるしく移り変わる映像世界は当時のMTVの世界観を醸し出すようなクールさでした。
最高にロックな映画の冒頭シーン
この映画、 見所は満載ですが、なんと言っても冒頭のカフェでのミッキー&マロリーのバイオレンスシーンが爽快です。
そしてこのシーンのオマージュこそが、PEDROのトレーラー映像に違いないと確信しているわけです。
カフェの世界観にあわせて、みどりのキーライムパイも登場!(再生するとキーライムパイ登場から始まります!)
キーライムパイを観ながら、是非この後の映像も引き続きご覧いただきたい。
妻のマロリーに不運にもちょっかいを出してきた男。
そして、ジュークボックスの音楽が切り替わります。
ここで登場する音楽が、90年代女性グランジ・ロック・バンドのL7の「Shitlist」!
曲に合わせて男をフルボッコにしてしまいます。
旦那のミッキーに悪態をついていた、連れの男も切り刻まれます。
こんなシーンから映画はスタートします。
「ナチュラル・ボーン・キラーズ 」のロックな世界
この映画では、90年代のオルタナティブ・ロックをはじめ、実に様々な楽曲が使用されています。
音楽プロデューサーはナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー
この映画の音楽プロデュースはナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー。
トレントに関しては、以前、BiSH「遂に死」の汚い音と言う記事でインダストリアル・ロックの代表として取り上げました。
サントラには収録されませんでしたが、映画ではマリリン・マンソンの楽曲や、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、メルヴィンズなんかの楽曲も起用されています。
中でも、サントラの2曲目に収録のL7「Shitlist」は最高です。
先ほどの冒頭シーンでマロリーが暴れ回るシーンに最高にマッチしています。
90年代ガールズ・グランジ代表 L7(エルセブン)
WACK代表の渡辺社長やアユニ・Dからは特にL7についての言及は聞いたことがありませんが、ほぼ確実に好きだと思います。
L7(エルセブン)は1985年にアメリカのロスで結成された女性4人組のガールズバンド。
90年代では先ほどの「Shitlist」などの名曲をうみだし、オルタナ・グランジの世界では重要なバンドとなりました。
バンド自体は非常にフェミニズム(女性解放思想)が強く、女性の中絶権利を奨励するライブイベント「ロック・フォー・チョイス」を主催していたりしました。
このイベントに賛同したのは、渡辺社長お気に入りの「ニルヴァーナ」をはじめ、ニルヴァーナの奥様バンド「ホール」、アユニの好きなベーシストであるジョー・ラリーが所属する「フガジ」なんかが出演。
他にもめちゃすごいバンドが目白押しでした。
L7のパンクロッカーらしいやんちゃエピソードで言うと、イギリスのテレビ番組で下半身を露出した事件とか、フェスで使用中のタンポンを抜き出して、やじってきた客に投げつけるなど、BiSHには真似して欲しくないようなパンキッシュ度合いです。
そんな彼女達の破天荒ぶりが映画にもなっているので、是非ともこちらもチェックしてもらえると、90年代のオルタナティブ・ロックの世界観が体感できるかと思います。
もちろん「ナチュラル・ボーン・キラーズ」を観てない人も要チェックです!
コメント