BiSHの妹分、アユニ・Dのバンドプロジェクト「PEDRO」が2018年に始動。
アユニ・Dがベースとボーカルを担当、全楽曲の作詞を手掛けています。楽器を持っちゃったガレージロックバンドです。
ギターにはベテラン、NUMBER GIRLの田渕ひさ子、ドラムにはBiSHサウンドプロデューサー松隈ケンタの生徒であった毛利匠太をサポートメンバーに迎えたスリーピースバンド。
2019年8月28日には1stフルアルバム『THUMB SUCKER』をEMIからリリースしています。
このプロジェクトもまたまた、40代のロック好きオヤジのハートを鷲掴みまくる仕上がり。
WACK渡辺社長の策略と、PEDROに影響を与えているであろう90年代のガレージバンドをおさらいしてみました。
アユニの成長
ガレージバンドを語る前に、まずは渡辺社長の策略っぷりとプロジェクトによるアユニの成長度合いについて見てみたいと思います。
WACK渡辺社長の仕掛け
可能性の追求
常々、渡辺氏は「BiSHもずっとは続かない」ことを言及しています。
今回のプロジェクトにアユニを誘う際も、BiSHの解散後を見越してアユニに新たな可能性を模索するためのプロジェクトを始動することを述べています。下記PEDRO誕生の映像で最後握手を交わした後の映像のつなぎがカッコいいです。
この渡辺氏の考え方やビジョンは若いとはいえ経営者として凄いなあと感心します。
アユニ以外にもBiSHに関しては他のメンバーの今後を見越して色々と仕掛けをしています。
アイナであれば彼女の目指す今後の音楽活動のために色々なアーティストとのフィーチャリングに積極的に参加をさせたり、モモカンであれば書籍の執筆をさせたり、リンリンであればファッション系に振ってみたいりと、彼女たちの目標や夢を視野に入れて考えているようです。
アユニのプロジェクトはこのBiSHが軌道に乗るなか、ムチャもと言えるベースとボーカルのバンドユニット。これも経営者として厳しいくらいの位置に目標を置いて進める戦略なんだと感じました。凄いです。
プロジェクトにより広がるアユニの音楽の幅
実際、このプロジェクトは当たりだったと思います。
そもそもオーディションで勝ち抜ける天性の才能を見破る渡辺社長以下、WACKの方々も凄いが、アユニのポテンシャルが普通じゃないでしょう。
モモコも言及していましたが、根性が普通じゃないし、ちょっとかなわない天性の才能を感じると言っていた通り、ぐんぐんと成長しているのが見て取れます。
今回のプロジェクトもかなりアユニの音楽的意見も取り入れながら仕上げたようです。
NUMBER GIRLをはじめ、海外のオルタナティブ、ガレージと言ったロックもおそらく松隈氏・渡辺氏に教えてもらいながら吸収をしている状態で、こう言った音楽がとても好きだと気づいたと言っています。
まさに覚醒。
このプロジェクト以降のアユニのBiSHでのボーカルやパフォーマンスも明らかに独自性が出て良くなっていますね。
そもそも音楽にこだわりがないだけに、そこからの松隈氏の音楽技術含めたインプットなどは、ものすごく素直に吸収しているための急成長と感じます。
ガレージロックの再来「PEDRO」始動!
NUMBER GIRLの話は至る所でアユニがしているので、ここではそれ以外の海外バンドの言及を探ってみました。
エラスティカと女ガレージバンド
エラスティカ
まずアユニの口から面白いということで挙がってたバンドがこのエラスティカ。
まさかこんな若い子からエラスティカが出てくるとは!おじさん感激です。
エラスティカの音の世界観とPEDROの音楽性はやっぱり共通点があると思います。
エラスティカは92年にジャスティーン・フリッシュマンを中心に結成されたイギリスのバンド。
ドラム以外が女の子というのも当時注目されていました。
95年にリリースされた1stアルバム『エラスティカ』は全英1位となり、大ヒットしていました。
私も当時バンクーバーに住んでいてよく聞いていました。このConnectionという曲はヘビロテで今聴いてもいいと思いますし、PEDRO色も出てるかと思います。
L7
この他、ガールズガレージバンドとしてはニルバーナのカートの奥さんであるコートニーが組んでいたバンド「HOLE」など良いバンドがたくさん出てきた時期でした。
特に尖っていたL7はPEDROでは言及は見られませんが、松隈氏はよく知ってるんじゃないかと想像しています。
L7の曲では特に「SHIT LIST」という曲が最高です。渡辺氏も好きそうなタイトル!
タランティーノが原作を書いた「Natural Born Killers」の中でも使用されている最高にクレイジーでクールな曲です。こんなスピリッツも今後は入れていって欲しいと思います。
ビースティボーイズのsabotage
そして、最後に40代ロック好きオヤジの好物、ビースティ・ボーイズの言及もアユニの口からありました。嬉しいですね。
PEDROの「猫背矯正中」のプロモーション映像はビースティの人気作品「sabotage」からインスパイアされたと言っています。
ビースティボーイズはマイク・D(まさかアユニ・Dってこの名前にインスパイアされてたりして!?とも思ったり。。。)、アドロック、MCAの3人からなるヒップホットユニット。
もともとはパンクバンドから始めている人達です。
ヒップホップのサンプリングも当時は珍しくロック音源を使ってやっていて、今のヒップホップロックの雛形を創ったと言ってもいいと思います。
音源ではスラッシュメタルバンド、スレイヤーのケリー・キングが参加している『ファイト・フォー・ユア・ライト』なんて最高すぎて、当時私もバンドでよくプレイをしていました。
そして、アユニが言及しているsabotageは、94年に発売のアルバムからのシングルカットです。
アユニが「ダサカッコいい」と言及していたミュージックビデオは鬼才スパイク・ジョーンズが監督をしている作品。
今見てもsabotageの映像はカッコいいです。
因みに以前は、でんぱ組.incがこの曲をカバーしていましたね。
アユニ・Dには今後も色々な音楽を吸収して、PEDROでもBiSHでも飛び抜けたパフォーマンスを期待しています。私はアイナ推しだけどね。
新作EP『衝動人間倶楽部』が2020年4月29日発売
2020年4月29日発売のPEDRO新作EP『衝動人間倶楽部』が発売決定。
初回生産限定盤にはナンバーガール「透明少女」のカバーをぶっ込んで話題となった「DOG IN CLASSROOM TOUR FINAL」のライブ映像音源が完全収録されています。
さらに80分の「DOG IN CLASSROOM TOUR」のドキュメンタリー映像と100Pのツアー写真集も同梱されているそうです。
また第1弾楽曲「感傷謳歌」が視聴可能となっています。
アユニ語を炸裂させながら、これまでにないくらいにポジティブな歌詞とポップな映像が新たな進化を感じさせますね。
全公演すでにソールドアウトのツアーも開始されます。BiSHのツアーはその後発表か!?
■ツアー情報 <PEDRO / GO TO BED TOUR> 2020年3月12日(木) 愛知 THE BOTTOM LINE 2020年3月15日(日) 広島 LIVE VANQUISH 2020年3月19日(木) 北海道 PENNY LANE24 2020年4月3日(金) 宮城 仙台CLUB JUNK BOX 2020年4月8日(水) 大阪 BIGCAT 2020年4月10日(金) 福岡 DRUM Be-1 2020年4月12日(日) 高松 オリーブホール 2020年4月26日(日) 新潟 NEXS NIIGATA 2020年4月28日(火) 東京 STUDIO COAST 2020年5月3日(日) 沖縄 output
これからも目が離せません!
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