BiSHってグループ最近よく出てくるけど、正直みんなブスじゃね?歌も少し聴いてみたけどあんまりうまくないしね。なんで人気あんの??疑問だわ。
SAM
確かに、わたしもBiSHをはじめて画面で見たときは、一瞬その奇抜さと言うか、サーカス集団的ないびつさに目を引かれました。
特に変な頭をしているリンリン(写真下段右)とアンバランスともいえるメガネのアツコ(上段右)に眉をひそめつつも興味を引く。
チッチ(下段左)とアイナ(下段中央)はなんか似たような顔して気が強そうだなとか。
モモコ(上段左)はなんとなくこれがアイドルの顔かな?これがメインのキャラ設定かな?でもインパクトないなとか。
アユニ(上段中央)も可愛いけどなんか暗い。そう言うキャラ設定かとも思う。
アイドルをよく知らない私としてはそんな感想。
しかし、いわゆるアイドルと言われるものとも違うのではないかと言う妙な引きが強かったのが最初の印象です。
そんな私も今では立派な清掃員(BiSHファンのこと)。
SAM
これからお伝えするBiSHのはなしで、私の知人10人中8人は、なんだかんだ言いながら、数日後にBiSHにドはまりしている連中ばかりです。
特に、「アイドルなんて関心なかったのになぁ」とうそぶくヤカラが一番ドはまりします。
そんな方は、この先注意してチェックしてください。ドはまり出費になるはずですから。
私も、最初はこんなアイドルを好きになることに戸惑っていました。
なぜこれほどにBiSHに魅力があるのかを改めて紐解いてみました。
理由は3つ。
BiSHはブスでもアイドルの域を超えた歌声が魅力
最初に目を引いたのはのはボーカルです。
もちろんアイナ・ジ・エンドのあのボーカルです。
顔はともかく、え!?って画面を二度見したくらいです。
その魅力は下記の記事でも語らせていただきましたが、私も40年近く音楽とロックが大好きで、相当の量のバンドを日本と海外と共にみてきましたが、アイナのボーカルはそんなロック好きを確実に虜にする声質だと衝撃を受けました。
まさに衝撃。
2020年7月27日放送の「しゃべくり」でこちらの記事に来た方々も、放送時のふにゃふにゃしたアイナと、歌っている時のアイナの激烈なギャップに酔いしれて欲しいです。
また2021年1月22日には、一発撮りのパフォーマンスを鮮明に切り取るYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に登場。
エモーショナルな歌声で新たな清掃員が爆増するきっかけになったことでしょう。
冒頭に、BiSHメンバー5人の名前を胸に歌い始める様は、すべての清掃員がグッときたに違いありません。
わたしにとってアイナこそ最高のシンガーですが、同時に、BiSH名曲の「オーケストラ」ソロは、この後ご紹介する、チッチやアユニの良さ、そしてアイナ含めた掛け合いの重要性が良い意味で強く感じられたパフォーマンスでした。
21年10月には椎名林檎率いる限定バンドElopersで、なんと椎名林檎のご指名によりボーカルを務め東京事変の「群青日和」を披露。
椎名林檎曰く前回のMステで生声を拝聴した際にびっくりしたとのこと。とんでもない人からのお墨付きもいただいている状況です。
牛肉のアイナと米のチッチ
わたしがBiSH沼にはまって清掃員(BiSHファン)となったきっかけは、BiSHが好きと言うより、アイナがむちゃくちゃ好きと言うところから入っています。
しかし、さらにBiSHの楽曲を聴いているともう一人、リーダー的存在であるセントチヒロ・チッチの安定したボーカルが染み渡ります。
BiSHのサウンドプロデューサーである松隈ケンタ氏が上手いことを言っていたと思いましたが、 牛丼に例えるとアイナが上の肉で、チッチが米。
もしくはアイナが悪魔で、チッチが天使。
まさにそんな感じです。
特に、みんながどハマりする「オーケストラ」はボーカルの良さが強烈です。
特に天使と悪魔の攻防、アイナが出てチッチが畳み掛けると言う構成に誰もが毒されるのだと思います。
ドラクエでそれぞれの強みを持ったキャラが入れ替わり立ち替わりに攻撃を仕掛けるような爽快さ。
チッチが手を差し伸べながら、広い足のスタンスで踏みとどまって歌い上げる姿は正に勇者さながら。
そして次に紹介するアユニの「たまご感」がたまりません。
「オーケストラ」はこの冒頭からの3人の癖のある3段積みが強烈なインパクトを与えるのです。
たまごのアユニ・D
アイナとチッチの2人がBiSHの歌の部分を確実に支えていると思っているのですが、注目はこれに加えてアユニ・Dが効いていることです。
アユニは最後にBiSHに入ったメンバーで最初は歌も全然でしたが、異常な吸収力の速さでボーカル面も急成長を遂げています。
アユニ語ともアユニ節とも言われている独特な歌い回し。
一見アニメ声で、うまくはないけどとても惹かれるボーカルです。
また、別プロジェクトで動いているPEDROと言うガレージバンドユニットでさらにパフォーマンスに磨きがかかっていることは間違い無いでしょう。
2021年2月にはなんとPEDRO単独で武道館ライブを成功させています。
先ほどのアイナとチッチの二人が牛丼の肉と米なら、アユニはたまごですね。入れなくても食べれるけど、入れることでさらに味が引き立つ感じです。
ただ、言わずもがな、たまご状態だったのはBiSHに入って数年までのことで、現在は三つ巴状態。完全なBiSHのボーカリストの柱の一人として存在しているのは言うまでもありません。
アユニ・Dのさらなる進化
21年2月に武道館まで登り詰めたアユニ率いるPEDROですが、21年12月22日に横浜アリーナの単独ライブをもって無期限の活動休止となります。
もちろん、アユニのストーリーはここで止まってはいませんでした。
飛んでもないストーリーの続きが用意されていたんですね。
それが、アユニによる歌い手プロジェクトと言われる「青虫」。
なんと、yamaの人気曲「春を告げる」のコンポーザーやAdoを起用した自作曲「金木犀」などを手掛けるクリエーターのくじら氏がプロデュースし21年11月にデビューとなります。
PEDROでは日本屈指のグランジ女性ギタリストである田淵ひさこ氏とステージを共にし、衝撃を受けましたが、今回はまた2019年から活動を開始した若手大注目のクリエーターを起用した全く予想もしない角度での組み合わせ。
マジで痺れました。
くじら氏もそもそもはボカロ楽曲で活動を開始、アユニの独特な声質がこの領域にピタリと来るとはただの素人の音楽好きオジサンには気付きもしない方向性でした。
21年2月に青虫の楽曲公開当初は無名のシンガーを起用という触れ込みでしたが、清掃員の間ではポツポツうわさも出ていたようです。リリースのしかたも秀逸です。
楽曲は間違いなく最高にお洒落でステキ。そこに加えてアユニの声質が本当によく合っていますね。
PEDROやBiSHとは全く異なる領域での活動で、また新しいファン層も増えることかと思います。
BiSHはブスでもロックでキャッチーな楽曲が魅力
彼女たちの強烈なボーカルには、それに合った楽曲が必要となりますが、これが最大限にボーカルの魅力を引き立てる楽曲の数々となっています。
WACK社長の渡辺淳之介とサウンドプロデューサー松隈ケンタ
その仕掛け人が、渡辺淳之介氏と松隈ケンタ氏です。
渡辺淳之介はBiSHを立ち上げた張本人で、元々BiSと言う過激なアイドルグループを手掛けていて、2014年の解散後に「もう一度BiSをやる」と宣言し2015年にBiSHをスタートさせました。
渡辺氏が元々アイドルはよくわからんが、ロックが大好きでそんな音楽をやりたいと言う希望がありました。
それに加えて、サウンドプロデューサーの松隈ケンタ氏もロック畑の人で古くから渡辺氏とタッグを組んでいました。
そんな松隈氏の作り出すサウンドがゴリゴリのロックサウンドにしっかりとJポップ的な要素を含ませてロックをベースとした幅広い音楽性で多くのロックファンを抑えこんでいます。
彼らのインタビューからよく出てくるのが、ニルヴァーナ、ジョンスペ、レッチリ、ミッシェルガンエレファント、イエモンなど、特にロック好きなオジサン世代にもドンズバなバンドを彼らも好きなのです。
このほかにも90年代を中心に様々なロックサウンドにインスパイアされた楽曲が多く生み出されており、ロックの世界にどっぷりはまっていた方々にもズバズバ刺さりまくります。
その辺のロックとの関係性も別記事でまとめておりますので、興味のある方はぜひ。
また、松隈氏のボーカルの乗せ方も独特で、レコーディングの際は6人、一人一人を一曲全パート歌わせます。
そこからパートを割り振る手法をとっており、ボーカルがかぶってパートを歌うと言うのはほとんどありません。
それにより、よりボーカルが引き立って聴こえてきます。
BiSHはブスでも秀逸なストーリーメイキングが魅力
アイドルの域を超えた楽曲と歌声ですっかり魅了されると、メンバーそれぞれのことも異常に気になってくるものです。
そこには人が毒される様々なギャップとストーリーメイキングがあることが分かります。
アイドルとパンク
印象としてアイドル=オタクのものと言うことと、アイドルってそもそもそんなに可愛い子がいないのに何が魅力なの?と言う疑問で、アイドル自体がロック好きの中ではパンドラの箱なのだと思います。
少なくとも私はそうです。
開けてはいけないものとして捉えていました。
そこに純粋なパンクロックの要素を付加することで、開けてはいけない箱を開けてしまうロック好きが山ほど出てきている状況です。
メタルとアイドルを掛け合わせた、ベビーメタルも好きですが、これは当初、あの3人のアイドルが好きと言うより、神バンドと言われている超絶メタルバンドが気になり、さらにメタルっぽく無い女の子3人のギャップにやられてしまうわけです。
神バンドをそのままに、あれがただの3人のロック兄ちゃんが歌っていたとしたら売れなかったと思います。
BiSHは「楽器を持たないパンクバンド」と言う触れ込みも功を奏しています。
楽曲は極めてロックで、ずばりパンクではないでしょう。
「パンク」というアイドル界では未開発のポジションを取ったことが戦略的に素晴らしいです。
楽曲と言うより雰囲気含めてパンクの要素を醸していると言うことです。
加えてベビーメタルの神バンドに対してBiSHのツアーで一緒にまわるバンドを鬼バンドと称していることも上手いですね。
わたしも言及していますが「アイドルの域を超えた」というのは、ロック好き、もしくはアイドルにあまり関心がなかった人たちの苦し紛れの常套句。
恥ずかしまぎれにカッコつけてこう言う事で、アイドルが好きであるという事実をなんとか苦し紛れに回避しようとしているところも正直あるのです。もうすでにアイドルにハマっているのに。。
パンクといじめられっ子
一見破天荒キャラに見えるそのパフォーマンスからは想像ができませんが、メンバーのほとんどがいじめられっ子であり、いわゆる根暗および陰キャにコミュ障。
ネガティブだけ集めて作ったようなチームがBiSHだったとも言えるでしょう。
リンリンいわくWACK(BiSHの所属事務所)でグループを自然と組ませたらどこにも属せなかった人たちがBiSHと言うくらいのほぼコミュ障キャラクターが集まっています。
チッチなんかはBiSHのリーダー格でとても気が強そうに見えますが、小学校、中学校といじめにあっていました。
反骨精神でこいつらを見返してやろうと言う気持ちが強かったと言います。
そんな感じで、BiSHの多くが反骨精神、つまりパンクスピリットを地で持っていたと言うことです。
そんな、裏にあるネガティブなキャラクターとそれでも反骨精神で頑張ろうとする姿勢が多くのファンを魅了します。
特に若者では同じようないじめの境遇にある子たちは惹かれると思いますし、私のようなオッサンたちは娘を見るような思いで応援したくなるわけです。
何より、人の痛みを知っているからこその優しさがにじみ出ている6人です。
いじめられっ子のサクセスストーリー
このように一人一人が暗い性格の集まりの彼女たちですが、だんだんと団結力を強めてスターダムにのし上がっていく姿が爽快です。
渡辺氏もBiSH の立ち上げ当初に言及していたのが、地方から出てきた何もできなかった子が大舞台に立つと言うストーリーを求めていて、それを具現化した象徴がアユニ・Dだと思います。
北海道の片田舎から化粧も知らずオーディションではオドオドし、そんな子がBiSHに加入して驚くほどの成長を描くと言うのも多くのファンを魅了します。
新加入で必死にメンバーに喰らい付いていくアユニ、そして超多忙な中、ベースを習得してメインでPEDROのフロントを任され、しっかりとガレージバンドとしてステージを成功させると言うところも驚異です。
BiSHドキュメンタリー映像のすすめ
色々と語りましたが、この辺のストーリーのすばらしさは、BiSHのドキュメンタリー映像でご確認いただくのが一番です。
映像としては、下記の3本をまず観て頂けると、BiSHの魅力のるつぼにはまるコト間違いなしです。
「オーケストラ物語」と「ALL YOU NEED is PUNK and LOVE」は2017年の映像記録です。
2017年3月下旬に今では恒例となっている、BiSH所属事務所WACKの新メンバー募集の目的で5泊6日でWACK合同オーディションがありました。
合宿期間中に、メンバー同士がお互いの曲を獲り合うというルールが設定されました。
その結果、この記事でもご紹介してきたBiSHの代表曲である「オーケストラ」が奪われるという「オーケストラ騒動」が勃発。
清掃員の間では大炎上、SNS上は大騒ぎでした。
この映像を特番でスペースシャワーTVで放送したところ、絶賛の声が多く、監督であるエリザベス宮地の異常な熱意も相まって、幕張公演からセックスピストルズのオマージュで伝説となった大阪船上ライブまでを撮影しドキュメンタリー映画「ALL YOU NEED is PUNK and LOVE」が完成。
ご興味のある方で買うまではまだ・・・という方は、FODの配信などでも2週間は無料でこの二本はチェックできるので観てみるといいでしょう。
無料キャンペーン中!【FODプレミアム】「BiSH SHAPE OF LOVE」の方は、同じくエリザベス宮地監督作品。
2018年1月から全国12箇所で開催のBiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOURと横浜アリーナワンマン公演までの舞台裏に完全密着した作品で、こちらも見ごたえありです。
どちらの作品もBiSHの魅力、メンバーの個性や愛される理由が詰め込まれています。
BiSHの次を見据えて
社長の渡辺氏は常々BiSHをはじめグループと言うものはそう長くは続かないと言及しています。
なので、それぞれのメンバーをどうプロモートしていくかにも力を入れています。
アユニのPEDROでのプロジェクトはまさにその実験的事例のひとつ。
アイナはBiSHがなくなったとしても歌でやっていけるように、様々なフューチャリングのオファーに積極的に参加しています。
フューチャリングどころか2021年2月にはついにソロデビューを果たし、アルバム発売から単独ライブまで実現させました。
リンリンはファッション系のメディアに露出を多くしています。
またモモコは歌詞の多くを手掛けているように書くことが好きなので、書籍を出版させたり。
ハシヤスメもドラマやバラエティなどテレビの露出も増えています。
そう言った個々を尊重した活動も行いながらBiSHを成功に導いているストーリーメイキングが秀逸です。
そんな中、特に個人活動にピンが立っていないような印象のチッチはどうか?
確かに、テレビにもちょくちょく出ていますし、チッチ仕切りのライブも開催したりしています。
でも、他のメンバーのような個性を活かした個人活動としての明確なピンの立ち方はしていないように感じます。
それは、チッチこそがBiSHの象徴で、BiSHを守る最後の砦ということでしょう。
メンバー個々の活動があっても、最後に帰ってくるBiSHという場所を守り通しているのがチッチだと感じるのです。
そして、個々の活動がコロナという状況も相まって長引くほど、BiSHとして集結したときの爆発力は目を見張るものがあります。
特に、2020年のクリスマスイブに332日ぶりに開催した単独ライブはこれまでの集大成と言えるほどの爆発力とエモさで絶対チェックのステージです。
もはやここまでくると、最初に思ったブスと言うことも忘れるほどです。
と言うか、今では全然ブスだと思わない、むしろ可愛い。
ほぼほぼ毎日見ているので感情移入も含めて、どっぷりとハマるという訳です。
ハマった方はそれぞれのキャラクターも是非見てください!
ロック好きな方は下記の記事もお時間あれば是非。
映像作品を見ていただくのが一番手っ取り早いです!
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